胆石症
胆石症とは
胆のうの中で胆汁が濃縮されると、その中に含まれる成分が結晶化することがあります。この結晶が大きく固まったものが胆石です。胆石とは肝臓や胆のう、胆管にできる結石です。結石がどこにあるかによって、肝内結石、胆のう結石、胆管結石(総胆管結石)という名称がついています。胆のう炎については胆のう炎ページをご覧ください。
胆石症の症状
胆のう結石があるからといって、必ずしも症状があるわけではなく2〜3割の方は症状がないとも言われています。
症状としては胆道痛と言われるみぞおちや、右わき腹の痛みが典型的です。胸や背中、右肩に痛みが放散することがあるため心臓の病気や胃の病気に間違われることがあります。吐き気を伴うこともしばしばあります。
胆石症の原因
胆石症の原因は全てが解明されていませんが、肥満や過食、生活習慣の乱れ、ストレスなどが影響していると言われます。
胆石の発生には胆汁が前提になります。胆汁は、脂質の消化を助ける働きがあるため、脂質の多い食事は結石ができるリスクを高めます。
胆石症の検査方法
胆石症の患者さんは、人間ドックや健康診断で腹部超音波検査を行った際に見つかる場合や、痛みを訴えて医療機関を受診し画像検査にて痛みの原因を探るうちに見つかる場合が多いです。
胆石症の診断には、主に超音波検査を用います。胆石は硬いため超音波をよく跳ね返すため胆石の向こう側には超音波が届きません。エコー検査の画面では白い石の下側に黒い影がみられます。
また、CTで多くの結石を診断することができますが、コレステロールの成分のみからなる「純コレステロール石」はCTで映りません。胆嚢炎や膵炎を起こしているかどうかを判断するのに、CT検査はとても有用です。
その他にも胆石症と鑑別が必要な胃や十二指腸、心臓の病気を診断するため、血液検査、心電図検査、胃カメラ検査を行うことがあります。
胆石症の治療法
胆石の手術は、基本的に胆石が入った袋である胆のうごと取り出します。これは、胆のうを残して胆石のみ取り除いても、再び胆石が発生する可能性があるためです。
胆のう結石では腹腔鏡下手術が標準で、入院期間はおよそ1週間です。この手術は全身麻酔で行います。おへその周りに2㎝程度と上腹部の2~3か所に5㎜程度の小さい傷で行う手術です。
高齢だったり、重篤な病気を合併していたりする場合は手術治療を行わず、内服薬の治療を続けることが多いです。