胃痛
胃痛とは
胃痛とは、医学的には「心窩部痛」と呼ばれ、みぞおち当たりの痛みのことを差します。
「胃が痛い」とおっしゃられて消化器内科の外来を受診される方が痛みを訴えられる部位は、みぞおちから臍の辺りにかけてであることが多いです。
しかし、実際の痛みの原因が胃にあることはそれほど多くはありません。なぜなら、みぞおちから臍には、胃だけではなく十二指腸、小腸、大腸、膵臓、肝臓、胆管、胆嚢などたくさんの臓器が存在しています。これらはすべて消化にかかわる臓器、いわゆる「消化器」になります。
日常的にも良く起こる症状であるため、特に気にすることなく過ごされる方も多くいらっしゃいます。ですが、胃痛が長期間継続している場合、もしくは付随して他の症状が表れている場合には、何らかの消化器疾患に罹患している可能性があるため注意が必要です。
消化器内科では問診から原因を推測し、上部・下部消化管内視鏡、腹部超音波、CT、MRIなどの検査を行い、どこに原因があるのか診断を行います。
具体的にどのよう症状があれば医療機関を受診した方がよいのか以下で解説します。
胃痛で医療機関を受診した方がよいケース
以下にクリニックの受診を考えるべき症状を紹介します。
- 黒い便がでる
- 白っぽい便がでる
- 血便が出る
- 吐き気・嘔吐が続く
- 朝起きたときに口の中が気持ち悪い
- 酸っぱいものが上がってくる
- ストレスを感じると胃が痛くなる
- 消化の良いものを食べても胃が痛くなる
- 空腹時でも胃痛が起こる
- 体重が減少している など
胃痛の原因
- 偏った食生活
- 運動不足
- 睡眠不足
- 過度な飲酒
- 喫煙
- 精神的ストレス
- お茶やコーヒーなどカフェインの過剰摂取 など
心臓、膵臓など胃以外からでる痛み
胃痛、つまり心窩部から左季肋部に痛みを起こすのは、胃だけが原因ではありません。狭心症や心筋梗塞など心臓から来る痛み、膵炎など膵臓からでる痛みである可能性もあります。
心臓の痛みは心窩部から左前胸部に痛みが広がることが多く、膵臓からの痛みは心窩部から背中に痛みが抜けることが多いものの、実際には多種多様であるため注意が必要です。